行政書士 巽良太事務所

コラム

運営指導が現場を疲弊させる瞬間 ―「指導」が作業の丸投げになってしまう構造―

「整合性が取れていない」と言われた、その後が一番つらい

運営指導の場で、「整合性が取れていません」「ここが基準と合っていません」と指摘を受けたものの、何をどう直せばいいのか分からないまま時間だけが過ぎていく。

指摘はあった。ただ、改善の方向性は示されない。結果、現場は行政対応に追われ、通常の支援や運営が後回しになってしまう。こうした状況に心当たりのある事業所は少なくありません。

なぜ運営指導が「改善」ではなく「作業」になるのか

この問題は、特定の行政担当者や事業所の姿勢だけで起きているわけではありません。構造的に、指導が「作業の丸投げ」になりやすい背景があります。

  • 行政側の指摘が「結果」止まりで、原因や論点まで示されない
  • 書類の趣旨よりも、形式や整合性の確認が先行する
  • 事業所側も、自分たちの運営を説明する前提整理ができていない
  • 双方の視点が噛み合わず、議論が成立しない

この状態では、本来は改善のための指導であるはずが、「とにかく修正して、提出しなおして」という作業指示に近いものになってしまいます。

繰り返される指摘が生むリスク

原因や論点が整理されないまま対応を続けると、次のようなリスクが高まります。

  • 何を是正すべきか分からず、同じ指摘を繰り返し受ける
  • 行政対応が後追い・場当たり的になり、運営指導で不利になる
  • 現場が疲弊し、記録や書類がさらに形骸化する
  • 実態として問題のない運営まで「説明できない」という理由で否定される

「問題があるから指摘された」のではなく、「説明できなかったから止められた」というケースも、実務では少なくありません。

視点を変えると、指導の受け止め方が変わる

運営指導への対応で重要なのは、指摘をそのまま作業に落とし込むことではありません。必要なのは、指摘内容を制度上の要件と照らし合わせ、論点を掴むことです。

  • 事業所の運営状況を、第三者に説明できる形で整理する
  • 「整合性が取れていない」と言われた場合、どの事実関係が問題なのかを切り分ける
  • 書類を提出物ではなく、説明材料として位置づける
  • 制度上、どこが必須で、どこに裁量や余地があるのかを整理する

この整理ができて初めて、運営指導は「作業」ではなく「改善のための対話」になります。

当事務所のサポート

当事務所では、運営指導を「その場しのぎで乗り切るもの」ではなく、事業所の運営を守るための確認プロセスとして整理します。

  • 運営指導を前提とした論点整理と事前準備
  • 「整合性が取れていない」と指摘された際の原因切り分け
  • 行政に説明が通る記録・書類構成の整理
  • 必要に応じた同席支援による、行政との橋渡し
  • 指導内容を踏まえた是正方針の整理と文書化

整理されないまま進むと、何が起きるか

運営指導の場で「整合性が取れていない」「基準と合っていない」と指摘されているものの、

  • 何が事実として問題なのか分からない
  • どの記録を、どの制度要件と結びつければいいのか説明できない
  • とりあえず書き直しては出し、また止められる
  • 行政対応のたびに、現場の手が止まっている

こうした状態が続いている場合、それは記録や書類の問題というより、整理の不足です。

場当たり的に作業を重ねても、指導が「改善」になることはほとんどありません。

今すぐ動く必要がないケースもある

一方で、

  • 指摘の根拠となる制度条文が明確
  • どの記録が不足しているか把握できている
  • 是正内容と提出物の関係が整理できている

このような場合は、慌てて外部に相談しなくても、事業所内で対応できることもあります。

重要なのは、「対応できているかどうか」ではなく、「説明できる状態かどうか」 です。

当事務所のスタンス

当事務所は、運営指導を「注意されないための作業」ではなく、運営の前提を確認する場と捉えています。

  • 指摘内容を制度要件に照らして整理する
  • 「整合性が取れていない」と言われた理由を分解する
  • 行政に伝わる形で、事業所の運営を言語化する
  • 必要に応じて、同席や文書整理で橋渡しを行う

「何を直せばいいか分からないまま疲弊する」その状態に入る前の整理を、大切にしています。

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