
コラム
個別支援計画とモニタリングがつながっていないと、何が起きるのか
モニタリングが「実施しただけ」になってしまうことがある
個別支援計画を作成したあと、一定期間ごとにモニタリングを行います。
制度上も、支援の状況を確認し、必要に応じて計画を見直していくことが前提になっています。
ただ、実際の現場では、モニタリングが「実施しただけ」になってしまうことがあります。
面談はした。記録も残した。期限内に書類も作成した。
それでも、その内容が次の支援方針や個別支援計画の見直しにつながっていない。
そうした状態は、決して珍しくありません。
支援の流れが見えにくくなる
モニタリングが形としては行われていても、個別支援計画とつながっていなければ、支援の流れは見えにくくなります。
本来であれば、
- 個別支援計画を作る
- 日々の支援を行う
- 支援の状況を確認する
- モニタリングで振り返る
- 必要に応じて計画を見直す
という流れがあるはずです。
ところが、モニタリングが単発の確認で終わってしまうと、日々の支援と計画の見直しがつながりにくくなります。
記録はある。でも、そこから何を確認したのかが見えない。利用者の変化はある。 でも、次の支援方針にどう反映されたのかが分からない。
この状態では、モニタリングを行っていても、支援のサイクルとしては機能しにくくなります。
支援の方向性が事業所内で共有されにくくなる
個別支援計画とモニタリングがつながっていないと、事業所内で支援の方向性が定まりにくくなります。
例えば、
- 職員間で支援の方向性にばらつきが出る
- 利用者の変化があっても、必要な見直しにつながっていない
- モニタリングで確認した内容が次の計画に反映されない
- サービス管理責任者だけが分かっていて、職員に共有されていない
- 記録はあるが、次に何を支援するのかが見えない
こうした状態が起こることがあります。
支援方針が共有されていないと、現場ではそれぞれの職員が自分の感覚で対応することになります。
もちろん、職員一人ひとりが考えて支援すること自体は大切です。
ただ、事業所としてどこを見て支援しているのかが共有されていなければ、支援の方向性は少しずつずれていきます。
モニタリングは、確認して終わりにしない
モニタリングは、期限が来たから面談を行い、記録を残して終わるものではありません。
今の支援が利用者に合っているのか。目標に対して、どのような変化があるのか。支援内容を続けるのか、見直すのか。職員間で共有すべきことは何か。
こうしたことを確認し、次の支援につなげていくための機会です。
そのため、モニタリングの記録が残っていても、そこから次の支援方針が見えなければ、十分に活かされているとは言いにくいことがあります。
「実施したかどうか」だけではなく、「何を確認し、次にどうつなげたのか」。
ここが見える状態になっているかが重要になります。
運営指導で確認されたときに説明しにくくなることがある
運営指導でモニタリングや個別支援計画を確認される場合、担当者によって見る深さには差があります。
形式的に書類が整っていれば、それ以上深く確認されないこともあります。
一方で、内容まで細かく確認する担当者もいます。
特に、なぜその支援方針になっているのか、モニタリングの結果がどう計画に反映されているのかを確認されたとき、書類があるだけでは説明が難しくなることがあります。
重要なのは、指摘されるかどうかだけではありません。
個別支援計画、日々の支援、モニタリング、見直し。これらがつながっているかどうか。
その流れを説明できる状態になっているかどうかです。
作成・実施・見直しが線でつながっているか
個別支援計画とモニタリングは、別々の書類ではありません。
計画を作る。支援を行う。状況を確認する。必要に応じて見直す。
この流れの中で、モニタリングは位置づけられます。
しかし、現場ではどうしても、
- 計画は計画
- モニタリングはモニタリング
- 日々の記録は日々の記録
として、別々に処理されてしまうことがあります。
それぞれの書類は存在していても、つながりが見えなければ、支援の方向性は定まりにくくなります。
大切なのは、書類があるかどうかだけではなく、それらが支援の流れとしてつながっているかどうかです。
当事務所のサポート
当事務所では、個別支援計画やモニタリングについて、書類の有無だけでなく、日々の支援や見直しとのつながりを整理しています。
- 個別支援計画とモニタリングのつながり
- モニタリング内容が次の支援方針に活かされているか
- 利用者の変化が計画や記録に反映されているか
- サービス管理責任者の判断が職員に共有されているか
- 運営指導時に支援の流れを説明できる状態か
こうした点を確認し、事業所内で支援の方向性が共有される状態を整えることをサポートしています。
モニタリングは、支援をつなぎ直す機会でもある
モニタリングは、期限が来たから実施するものになりがちです。
しかし、本来は、これまでの支援を振り返り、これからの支援を考える機会でもあります。
個別支援計画とモニタリングがつながっていなければ、支援はその場ごとの対応になりやすくなります。
一方で、日々の支援や利用者の変化を踏まえてモニタリングを行えば、次の支援方針を整理しやすくなります。
作成した計画が、日々の支援につながっているか。モニタリングが、次の見直しにつながっているか。
そこを確認しておくことが、事業所内で支援の方向性を揃えるうえで大切になります