コラム
個別支援計画が似た内容・形式的になってしまう背景
個別支援計画が似た内容になってしまうことがある
個別支援計画を見ていると、利用者ごとに作成しているはずなのに、どこか似た内容になっていることがあります。
もちろん、支援の方向性に共通点が出ること自体は不自然ではありません。
ただ、読んだときに「この人の計画」というより、「誰にでも当てはまりそうな計画」に見えてしまうことがあります。
実際、支援計画の内容確認をしていると、少し形式的になっていると感じる場面は珍しくありません。
形式的になってしまうのには理由がある
個別支援計画が形式的になってしまうのは、単に担当者の力量だけで説明できるものではありません。
例えば、
- 利用者との関係構築が十分ではなく、本心や意向を引き出しきれていない
- 支援計画の組み立て方そのものがよく分からず、無難な表現に寄りやすい
- 複数利用者分を作成する負担が大きく、一人ひとりに十分な時間をかけにくい
こうした事情が重なると、計画はどうしても似た形になりやすくなります。
現場としては手を抜いているつもりではなくても、結果として「整ってはいるが、その人らしさが見えにくい計画」になることがあります。
形は整っていても、中身が薄くなることがある
個別支援計画は、書類として必要な項目が埋まっていれば、それだけで完成したように見えることがあります。
ただ、形式が整っていることと、その人の支援が整理されていることは別です。
例えば、
- 本人の状況や生活の特徴が十分に反映されていない
- 支援目標が抽象的で、その人に合わせた内容になっていない
- 支援内容が一般的で、個別性が見えにくい
こうした状態では、書類としては成立していても、支援計画としては中身が薄くなっていることがあります。
似た計画になると、何が困るのか
個別支援計画が形式的になると、見た目以上にいくつかの問題が生じます。
まず、その利用者に対して何を根拠にどのような支援をしているのかが見えにくくなります。
また、支援の方向性が曖昧になるため、職員間で理解を共有しにくくなることもあります。
さらに、後から見直したときに、
- なぜこの支援内容になっているのか
- 本人の意向がどこに反映されているのか
- この目標を設定した理由は何か
といった点が読み取りにくくなります。
個別支援計画は、作成して終わりではなく、日々の支援の前提になるものです。
だからこそ、形式だけ整っている状態では足りないことがあります。
個別支援計画は「埋める書類」ではない
個別支援計画は、決められた欄を埋めるための書類ではありません。
本来は、
- この利用者にとって何が課題なのか
- どのような支援を通じて何を目指すのか
- そのために日常の支援をどう整理するのか
そうしたことを言葉にしていくためのものです。
その前提が抜けると、計画は少しずつ形式化しやすくなります。
作成方法より先に、整理の視点が必要になる
個別支援計画を整えるうえで必要なのは、文章のうまさだけではありません。
何を書けばよいのかという以前に、
- 本人の状況をどう整理するか
- どこに支援の焦点を置くか
- 何を根拠にその内容にするか
そうした整理の視点が必要になります。
この視点がないまま作成すると、どうしても無難で似た内容に寄りやすくなります。
逆に、整理の視点があれば、表現はシンプルでも、その人に合った計画になりやすくなります。
当事務所のサポート
当事務所では、個別支援計画について、形式面の確認だけでなく、その内容が利用者の状況や支援の方向性と結びついているかという点も含めて整理しています。
- 支援計画が形式的になっていないかの確認
- 支援目標や支援内容の整理
- 本人の状況と計画内容のつながりの確認
- 日常支援と個別支援計画の整合整理
個別支援計画は、作成しているだけでは足りず、その人の支援をどう整理しているかが見える状態になっていることが重要になることがあります。
形式化しているかどうかは、読み返すと見えてくることがある
個別支援計画は、作成しているときには違和感に気づきにくいことがあります。
ただ、少し時間を置いて読み返したときに、
- 誰の計画でも通りそうな内容になっていないか
- その人の状況や支援の意図が見えるか
- なぜこの支援内容なのかが分かるか
こうした視点で見直してみると、形式化しているかどうかが見えてくることがあります。
個別支援計画は、書類として完成させることよりも、その人の支援をどう整理できているかの方が大切なのかもしれません。