
コラム
大家さんが家賃を下げてくれた。グループホームの利益は増える?
家賃が20万円から16万円に下がった
たとえば、4名定員の障害者グループホームを運営しているとします。
大家さんへ支払っている家賃は月20万円。4室は同程度で、利用者4名から1人5万円ずつ家賃を受け取っています。
ここで、大家さんが家賃を20万円から16万円に下げてくれました。
就労継続支援B型や生活介護などの事業所であれば、月4万円の固定費削減です。
では、グループホームでも、その4万円がそのまま法人の利益になるのでしょうか。
グループホームでは、大家さんへ家賃を支払う一方で、利用者からも家賃を受け取っています。
そのため、大家さんへ支払う家賃だけを見て判断することはできません。
今回のケースなら、利用者家賃も5万円から4万円へ
今回は、大家さんへ支払う20万円を4室で分けて、利用者家賃を1人5万円としていました。
その支払家賃が16万円に下がったのであれば、利用者家賃も1人4万円へ見直すのが基本です。
大家さんへの支払いは16万円になったのに、利用者からはこれまでどおり20万円を家賃として受け取り、差額の4万円を法人の利益にする、という整理にはできません。
なぜ、値下げ分をそのまま利益にはできないのか
共同生活援助では、サービスの利用者負担とは別に、利用者から家賃を受け取ることができます。
一方、厚生労働省のガイドラインでは、家賃は「室料に相当する額」を基本として設定する考え方が示されています。
自治体によっては、利用者から受け取る家賃は実費相当額までとし、家賃で利益を出すことを認めていません。
今回のケースでは、大家さんへの支払家賃が下がった分を、利用者から家賃として受け取り続け、法人の利益にすることはできません。
家賃を見直したら、書類と変更届も忘れずに
大家さんから家賃変更の話があったときは、
- 大家さんへいくら支払うことになるのか
- 利用者から現在いくら家賃を受け取っているのか
- その利用者家賃を何をもとに設定しているのか
を確認します。
利用者家賃を変更する場合は、利用契約書や重要事項説明書だけでなく、運営規程の記載も修正します。
また、運営規程を変更した場合は、事業所内で書類を差し替えて終わりではありません。指定権者への変更届も必要です。
大家さんへ支払う家賃が変わったとき、確認するのは法人の固定費だけではありません。
利用者から受け取っている家賃も見直し、必要な書類を修正し、指定権者への届出まで行う。
共同生活援助では、そこまで含めて家賃の変更として考える必要があります。
グループホームの家賃設定や、家賃変更に伴う運営規程・変更届などの対応で迷う場合は、当事務所でもご相談をお受けしています。