障害福祉サービス事業所 よくある失敗とまちがい

どういったところで 
つまずきやすい?

障害福祉事業のむずかしさは、いったい何なのでしょうか。

・制度がややこしいから?

たしかに、障害福祉の制度はとってもややこしいです。
(役所の対応を見る限り「役所の職員も把握しきれていないのでは?」と思わされるときがあります。)

しかも、ただややこしいだけでなく、3年に1度、大きくルールが変わります。

これが、より一層、障害福祉事業をむずかしくしていることは間違いありません。

ですが、もっと違うところで「むずかしい」と感じている方の方が多いのではないでしょうか。

・収益があがらない
・利用者が集まらない
・職員が定着しない

どうでしょうか。

あなたにも心当たりがありませんか?

経営と支援 
どっちもめちゃくちゃ大切

障害福祉事業は「経営」と「支援」どちらも大切です。

ここを間違えると、事業所はうまく回りません。

当事務所は、これまでにいろいろな事業所様と関わらせていただきました。

その中で痛感したことがあります。

それは「経営」か「支援」か

どちらかに偏りすぎている

事業所様がとても多いということです。

ズバリ!
失敗する事業所は?

(すべて、実際に私が遭遇したケースです。)

1.利用者のことを優先しすぎ
(クリック・タップで開きます)

奉仕精神が強すぎる

「利用者が困っているから、やらないといけないんです!」

利用者からすると、とてもありがたい事業所です。

他の事業所ではやってくれないことも、ここならやってくれる。

確かに、これは大切なことです。

障害福祉事業は、障害者の福祉(幸福)を支える仕事です。

ですから、間違ったことではありません。

しかし。

「しかし」なんです。

それを「やるためのコスト」を理解しているのでしょうか。

もし、コストを理解せずに主張しているのであれば《最悪の展開》が待っています。

利用者のために
「何でもやる」は
リスクしかありません

たったひとりの利用者のために、トンデモナイ金額のする設備を導入。

その結果、資金がショートし事業所の閉鎖……。

さすがに、ここまで極端な例は珍しいかもしれません。

しかし、奉仕精神が強すぎるために悪影響が出るということ自体は、珍しくありません。

・「利用者のために」と本来は不要な残業を入れる
 ⇒不要な人件費の増加

・本来は不要な支援をすることで職員が疲弊
 ⇒職員のモチベーション低下
 ⇒離職、退職率の増加

・職員の離職により支援の質が低下
 ⇒利用者が離れていく
 ⇒収益の減少

これ、嘘のような本当の話です。

「利用者のために」という考え方は大切です。

ですが、利用者のために「何でもやる」は非常に危険なのです。

2.利益「しか」見ていない
(クリック・タップで開きます)

障害福祉事業=奉仕!?

世間的には、こういったイメージもまだまだ残っているようです。

「障害福祉」は、ひょっとすると「奉仕」の場合もあるかもしれません。

しかし「障害福祉事業」は、あくまで「事業」です。

慈善活動ではありません

ですから「利益を追求する」ということは、当たり前のことです。

私たちが呼吸をし、食事をすることと何ら変わりありません。

「法人」が生きていくためには「利益」が必須なのです。

しかし。

「しかし」なんです。

利益「しか」見ていないとなると、また話が違ってきます。

利用者のことは 
ほったらかし!?

社長「事業所に障害者が来たら、国からお金もらえるんでしょ?」

「平たく言うと、そうですね。」

社長「だから、とりあえず障害者を集めればいいんでしょ?」

「まずは、利用者さんに来てもらわないことには始まりませんね。」

社長「はいはい。障害者を集めるアテがあるから、集めとくわ。」

「それは良いスタートが切れそうですね。あとは、どういった支援をするか、ですね。」

社長「え?障害者が事業所に来たら儲かるんやろ?」

「ん?まぁ、利用者さんが来ることで初めて売り上げが立ちますね。」

社長「じゃあ、それでええやん。支援ってせなアカンの?」

「……え?」

嘘のような本当の話、第二弾。
(実際はもうちょっと「えげつない」話が出ました。ここには書けません。)

このような姿勢では、まともな職員から辞めていきます。

まともな職員が定着しなければ、支援の質はどんどん落ちていきます。

そうなると、利用者が離れていくことはもちろん

最悪「虐待が当たり前」という事業所がうまれかねません。

また、利用者さんやそのご家族も、そういったことには敏感です。

・ウチの子が金儲けに利用されてる。

・雑に扱われているように感じる。

・ここの事業所は何もしてくれない。

口コミは、非常に強い影響力を持っています。

悪い噂が広まれば、衰退は避けられません。

3.現場上がりで経営に詳しくない
(クリック・タップで開きます)

ついに念願の独立! 
したのはいいけれど……

今まで、障害福祉サービス事業所でずっと勤めてきた。

いつか、自分で事業所をやりたいと思っていた。


ついに。

ついに、念願の独立を果たした!


これから、良い事業所を作って盛り上げていこう!

こういった方は、とても素晴らしい支援をされます。

とても強い思いを持って独立されているのです。

良い支援をされることは間違いありません。

しかし。

「しかし」なんです。

支援者としては、抜群の力を持っています。

ですが、経営者としての力がないのが現実です。

とは言っても、これは無理もありません。

今まで「支援の仕事」に注力されてきたのです。

経営の「け」の字も知らなくたって、何もおかしくありません。

むしろ、経営のことまで詳しい状態での独立の方が珍しいものです。

では、この状態だとどんな問題が起こるのでしょうか。

抜群の支援をするが、儲からない事業所

ができあがります。

「別にガッツリお金儲けをするつもりはないんだよ!」

もちろん、それは悪いことではありません。

事業の目指すゴール地点」は、人それぞれ違って当然です。

ですが、法人にお金がないとなると、いろいろなところで問題がでてくるのです。

・優秀な職員を雇うことができない

・職員の給与をアップすることができない

・利用者支援に必要なものを揃えられない

・業務を外部委託できず、時間が足りなくなる

ガッツリお金儲けをしないとしても。

お金がなければ、守るべきものを守れなくなってしまいます。

ですから、独立するのであれば

・経営の勉強も
・お金儲けの勉強も

していかなければならないのです。

4.制度のことを学ぼうとしない
(クリック・タップで開きます)

支援がカンペキなら 
それでいい……とは言えません

障害福祉の制度って
めっちゃややこしい!

これには、私もうなずくしかありません……。

何がどうなったらこんなにややこしくなるん?

と、厚生労働省に聞きたいくらいです。

「こんなにややこしいなら、もうどうでもいいや。知ーらない!」

と言いたくなりますが、これをやってしまうと確実に終わります

・報酬改定で新しく減算ができた

・支援計画の作成手順が変わった

・国保連への請求ルールが変わった

こういった情報をいち早く仕入れ、制度改正に対応しなければなりません。

そうは言っても、情報を仕入れるだけでも、本当に一苦労なんですよね……。

制度改正かぁ……。
ほっておくわけにもいかないよなぁ……。

とりあえず、厚生労働省の資料を読んでおくか。

【厚生労働省 報酬改定資料】
https://www.mhlw.go.jp/content/001297224.pdf
(ぜひ、あなたもごらんください)


……うん、見なかっとことにしよう。
また今度にしよう、それがいい。

おそらく、あなたにも心当たりがあるはずです。

・制度改正に対応しないといけないと思っている

・でも、現実問題、資料を読み込むだけでも大変

・役所に聞いても、基礎知識がないと相手にしてもらえない

「もっと勉強してから役所の窓口にお越しください。」

と言われた方も、いらっしゃるようです。
(それはそれで役所の対応として不適切なように思いますが……。)

では、このまま、制度のことを学ばなければ、いったいどうなるのでしょうか。

・知らぬまま減算

・知らぬまま加算返戻

・知らぬまま基準違反

近い将来、必ずこうなります。

例えるなら。

・サッカーでスパイクの着用が禁止された

・それを知らずに、スパイクを履いて出場した

・その結果、レッドカード一発退場になってしまった

かなり極端な例ではありますが……。

福祉の制度上では割と起こることなんです。

「制度を学ばない」リスクは

実は身近

実は危険度がとっても高い

ものなのです。

5.優秀な職員を集められない
(クリック・タップで開きます)

どの業界も人材不足!
すべて令和のせい!?

あなたも、すでにご存じかと思います。

この令和の時代、どの業界も人手が足りていません

そう、ただでさえ日本全体が人材不足なんです。

「もう、誰でもいいから働きに来て!」と言いたくなりますよね。

でも、実はこれ、とてつもなく大きな間違いなんです。

「いやいや、人手が足りてないんだから、誰でもいいから来てもらわないと!」

確かに、障害福祉には「人員配置基準」というものがあります。

これは「必要な職員を配置していないと事業所を運営してはいけませんよ。」というものです。

・サービス管理責任者が見つからない

・職員の数がたりていない

・有資格者が来てくれない

こうなると、減算や事業所の運営停止などのリスクが考えられます。

このように、障害福祉事業には「決められた人数の職員を配置しないといけない」というルールがあります。

ですから「誰でもいいから来てほしい!」という気持ちは痛いほどわかります。

しかし。

「しかし」なんです。

「誰でもいいから来て!」という求人を出してしまうと新しい職員は来ません

もし来たとしても、あなたの事業所にマッチしない職員だったり、まぁとんでもない職員だったりするわけです。
(あなたにも、お心当たりがあるはずです。)

もちろん、良い職員が来てくれることもあります。

でも、それは単発で終わってしまいます。

良い職員を複数雇用することは極めて困難でしょう。

障害福祉事業は、人材がとても重要です。

・「誰でもいいから」と採用を続けた結果、事業所の内情がメチャクチャに

・まったく職員が集まらず、人員配置基準をクリアできずに大幅減算

・その結果、利用者さんも離れていくことに……

こんなことになる前に。

「令和の時代に人を雇う」ことはどういうことなのかを考え直さなければなりません。

事業に失敗はつきもの

でも 致命的な失敗は
避けたいですよね

事業を行う以上、失敗はつきものです。

失敗なくして前進することはできません。

しかし、その失敗が「致命的」であれば事業終了せざるを得ません。

今回、ここでお伝えしたことは、何も珍しい話ではありません。

大きな思い違い・勘違いが致命的な失敗につながってしまうこともあるのです。

そんなことに なる前に

まずは、勉強することが大切です。

自らすすんで得た知識は、必ず役に立ちます。

・そんな時間なんてない

・勉強してみたもののよくわからない

・法人全体でずっと悩み続けている

ということであれば、障害福祉に詳しい人を頼ることも検討してはいかがでしょうか。

結果的にかかるコスト(時間、人件費など)も抑えられます。

そして何より「ストレス」をためこまなくて良いのは、非常に大きなメリットです。

障害福祉サービス事業所 
運営のことで困ったら

悩みに悩んで、身動きが取れなくなるその前に

利用者さんのためにも、従業員のためにも。

「こんなことを聞いてもいいのかな?」というご心配はいりません。

まずは、お気軽にご連絡ください。